2-1. インターネットの仕組みと基本的な使い方
インターネットは、世界中のコンピュータやサーバーをつなげる巨大な情報のネットワークです。私たちはスマートフォンやパソコンを使って、このネットワークにアクセスし、さまざまな情報をやり取りしています。
もともとは、軍事研究や大学間の通信を目的に作られたインターネットですが、今では教育・ビジネス・医療・生活のあらゆる場面で欠かせない存在となりました。
教育現場では、インターネットを通じて教材の共有、調べ学習、オンライン授業、クラウド上での課題提出などが行われています。子どもたちにとってインターネットは、世界中の情報にアクセスできる「学びの扉」なのです。
ただし、インターネットは便利な一方で、使い方を間違えると危険に巻き込まれるリスクもあります。正しく安全に使うためには、インターネットの基本的な仕組みを理解しておくことが必要です。
インターネット利用の主な場面
利用場面 | 具体例 |
---|---|
情報検索 | Google検索、辞書サイト利用 |
コミュニケーション | メール、チャット、ビデオ通話 |
学習 | オンライン授業、動画教材視聴 |
発表・発信 | ブログ執筆、SNSでの意見発信 |
データ管理 | クラウドストレージ(Google Drive等) |
💬 インターネットとWebのちがい
インターネットはネットワークそのもの、つまりデータを運ぶ「道路」。Webはその上を流れる「情報のかたまり(ウェブサイト、ページ)」です。
インターネット=道、Web=道を通る車や荷物(情報)とイメージすると理解しやすいです。
ポイントまとめ
- インターネットは「世界中の情報をつなぐ巨大なネットワーク」!
- 教育では、情報検索・学習・コミュニケーション・発表に活用されている。
- インターネット(道)とWeb(流れる情報)を区別して理解しよう!
2-2. 情報リテラシーとは?(正しい情報の見分け方)
私たちは毎日、インターネットを通じてたくさんの情報にふれています。しかしその中には、うそや間違った情報、意図的に人をだます情報も含まれています。こうした情報の中から、必要で正しいものを見きわめ、活用する力のことを「情報リテラシー」と呼びます。
子どもたちは「調べ学習」や「SNS」などでネットを使う場面が増えています。だからこそ、ただ“情報を検索する”だけでなく、その情報が本当に正しいのか? 誰が発信しているのか? 目的は何か? を考える習慣を持つことがとても大切です。
チェック項目 | ポイント |
---|---|
発信者の正確さ | 誰が書いた情報か?(専門家・団体・公的機関など) |
情報の更新日 | 日付は新しいか?古い情報ではないか? |
情報源の引用 | 出典や根拠が書かれているか? |
他と比べてどうか | 他のサイトと同じ内容か? 違いがある場合はなぜか? |
感情をあおっていないか | 「〇〇は危険!」「今すぐ共有!」など、極端な表現に注意 |
💬 子どもは“検索できる”けど“判断する力”は育ち途中
子どもたちは検索そのものは得意ですが、その情報が正しいかどうかを判断する力はまだ育成途中です。検索技術だけでなく、情報の見極め方も一緒に学ぶことが大切です。
ポイントまとめ
- 情報リテラシー=「情報を見きわめ、正しく使う力」!
- 誰が発信しているのか? 出典はあるか?を意識しよう
- 検索だけでなく、“判断”の習慣を子どもに伝えよう!
2-3. ネットの危険と対策(フィッシング詐欺・個人情報保護)
インターネットはとても便利ですが、その裏にはいくつかの危険やリスクもあります。たとえば「フィッシング詐欺」などのネット犯罪は、子どもにも身近な問題です。
フィッシング詐欺とは、本物そっくりなメールや画面を使って、IDやパスワード、クレジットカード番号などの個人情報をだまし取ろうとする行為です。最近では、ゲームやSNSの中でリンクを送り、「ログインしてください」と誘導されることもあります。
また、個人情報(名前・住所・学校名・顔写真など)をむやみにネットに載せることもとても危険です。知らない人に使われたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりすることもあります。
子どもが気をつけるべきネットの危険と対策
危険の種類 | どんなこと? | 対策方法 |
---|---|---|
フィッシング詐欺 | 本物そっくりの偽サイトで情報を盗まれる | リンクは信用せず、公式から確認 |
なりすまし | 他人の名前や写真を使われる | 公開範囲の確認・SNSの非公開設定 |
個人情報の流出 | 名前・住所などが知られてしまう | 位置情報・個人情報の投稿を控える |
誹謗中傷・トラブル | SNSやチャットでのいじめや誹謗中傷 | 「ことばの責任」について教える |
💬 子どもは“信じやすい”からこそ守る力を
子どもたちは、見た目が似ている画面や、「おめでとう!プレゼントが当たりました!」という言葉を疑うことがむずかしい世代です。だからこそ、「知らない人からのリンクは開かない」「パスワードは絶対に教えない」など、繰り返し伝えることが大切です。
トラブルにあったときも、「大人にすぐ相談できる環境」を整えておきましょう。
ポイントまとめ
- インターネットは便利だが、危険やリスクもある。
- フィッシング詐欺や個人情報流出に注意する必要がある。
- ネット上の情報を安易に信じず、発信者や更新日、情報源を確認する習慣を持つ。
- 子どもたちがトラブルに巻き込まれたときには、大人が相談に乗れる環境を整える。
2-4. 安全なパスワード管理の方法
インターネットを安全に使うためには、パスワードの管理がとても大切です。パスワードが他人に知られると、自分のアカウントが乗っ取られたり、悪用されたりする危険性があります。
特に子どもたちが使うパスワードも、安全で強固なものを設定する必要があります。以下のポイントを意識して、パスワードを管理しましょう。
安全なパスワードの作り方
ポイント | 説明 |
---|---|
長くする | 8文字以上で、できれば12文字以上が理想 |
複雑にする | 英数字・記号を混ぜる(例:Pa$$w0rd!) |
個人情報を避ける | 名前・誕生日・学校名などは使わない |
使いまわさない | 異なるサービスごとに異なるパスワードを使う |
定期的に変更 | 少なくとも半年に一度は変更する |
🔐 パスワード管理の工夫
- パスワード管理アプリを活用する(例:1Password、LastPassなど)
- 信頼できる家族に共有しておく(緊急時に備えて)
- 二段階認証を導入してセキュリティを強化する
- 同じパスワードを複数のサービスで使わない
💬 パスワードを「紙」に書いてもいい?
パスワードを忘れないために「紙」に書いておく人もいますが、管理が雑になると危険です。紙に書く場合は、鍵のかかる場所に保管し、他人に見られないように気をつけましょう。
また、家族や信頼できる大人にだけ、緊急時のために教えておくのも一つの方法です。
ポイントまとめ
- 安全なパスワードは、長く複雑で個人情報を含まないことが重要。
- 異なるサービスで使い回さず、定期的に変更する。
- パスワード管理アプリや二段階認証を利用してセキュリティを強化する。
- 家族と共有する場合も、適切に管理し、他人に知られないようにする。
2-5. SNSやチャットの正しい使い方
SNSやチャットアプリは、友だちや家族と簡単に連絡が取れる便利なツールですが、正しく使わないとトラブルに巻き込まれることがあります。
特に、言葉の使い方や情報の共有に注意が必要です。相手を傷つけたり、個人情報を漏らしたりしないよう、マナーを守って使いましょう。
SNSやチャットのマナー
マナー | 具体例 |
---|---|
言葉づかいに注意 | 乱暴な言葉や悪口は使わない |
感情的にならない | 怒りや悲しみをそのまま投稿しない |
写真・動画の投稿に配慮 | 他人が写っている場合、許可を得る |
返信を強要しない | すぐに返信がなくても、無理に催促しない |
個人情報を守る | 住所や電話番号を公開しない |
💬 SNSは「見えない相手」とのやり取り
SNSやチャットでは、画面の向こうにどんな人がいるか分かりません。友だちだと思っていた相手が、実は他人だったというケースもあります。
そのため、慎重なやり取りが大切です。「ネットで知り合った人には個人情報を教えない」「困ったときは必ず大人に相談する」など、子どもたちに具体的なルールを教えましょう。
ポイントまとめ
- SNSやチャットを使うときは、言葉づかいやマナーに気をつける。
- 他人が写っている写真や動画を投稿する際は必ず許可を取る。
- 返信がないからといって、無理に返信を求めない。
- ネットで知り合った人には個人情報を教えない。
- 困ったときは、大人に相談する習慣を持つ。