1-1. ICTとは何か?(定義と基本概念)
ICT(アイ・シー・ティー)とは、Information and Communication Technology(情報通信技術)の略語です。パソコンやスマートフォン、インターネット、メール、SNS、クラウドサービスなど、情報をやりとりしたり共有したりする技術すべてを含みます。
特に教育の現場では、タブレットを使った学習、オンライン授業、プログラミング教育など、多くのICTが活用されています。
ICTの使われ方の例
分野 | 活用例 |
---|---|
日常生活 | スマホで動画視聴、LINEでメッセージ、ネット通販など |
仕事 | Web会議、クラウドでの資料共有、チャット業務連絡 |
教育 | オンライン授業、デジタル教材、プログラミング教育 |
医療・福祉 | 電子カルテ、遠隔診療、健康アプリなど |

💬 「昔の学び」と「今の学び」のちがい
昔は「黒板とノート」が学びの中心でしたが、今は「タブレットとデジタル教材」も使われる時代になりました。先生から教わるだけでなく、子どもが自分で調べて学ぶ“探究型の学び”が主流になってきています。
ポイント
- ICT = 情報通信技術のこと
- 教育でのICT活用例:タブレット・オンライン授業・デジタル教材
- ICTの役割:「子どもに合わせた学び」を支える道具
1-2. 教育におけるICTの役割とメリット
ICTは、教育をより深く・楽しく・自分らしくするための大切なツールです。先生の「伝える力」や子どもの「学ぶ力」を助けてくれる“学びのサポーター”といえる存在です。
特に注目される学びのスタイルとして、「個別最適化学習」「協働学習」「表現力の向上」があります。ICTを活用することで、子ども一人ひとりに合った学び方が可能になります。

ICTの活用場面 | 効果・メリット |
---|---|
デジタル教材 | 動画やアニメーションで、視覚的にわかりやすい学習ができる |
調べ学習 | ネット検索や辞書アプリを使って、子どもが自ら情報を探せる |
プログラミング | 論理的思考・問題解決力を育てる |
クラウド共有 | 共同編集でクラスメートと協力しながら学べる |
AI型教材 | 習熟度に応じて出題が変わる「個別最適化学習」ができる |
💬 GIGAスクール構想とICTの進化
文部科学省が進めている「GIGAスクール構想」では、すべての児童・生徒に1人1台の端末と高速ネット環境を整備しています。
これは、ICTを通してすべての子どもに公平な学びの機会を与えることが目的です。
端末を持ち帰って家庭学習にも活用できるようになり、学びの場が**「教室の外」**にも広がっています。
ポイント
- ICTは、子どもの「わかる」「できる」「伝える」を助けてくれるツール!
- ICTがあることで、「じぶんに合った学び」「みんなと協力する学び」が可能に!
- 教育でのICT活用は、GIGAスクール構想と一緒にどんどん進んでいる!
1-3. GIGAスクール構想とは?
GIGAスクール構想とは、日本の文部科学省が推進するプロジェクトで、「Global and Innovation Gateway for All(すべての子どもに革新的な学びの入り口を)」の略です。
この構想の目的は、すべての児童・生徒が1人1台のパソコンやタブレットを使えるようにし、だれもが公平に学べる環境を整えることです。
項目 | 内容 |
---|---|
1人1台端末の配布 | すべての小中学生にノートPCやタブレットを配布 |
ネットワーク整備 | 校内Wi-Fi・高速回線などの通信環境を整備 |
クラウドサービス導入 | Google Workspace for Education、Microsoft 365 などを導入 |
教師のICT研修 | 先生たちもICTを使った授業の進め方を学ぶ研修を実施 |
遠隔・在宅学習の支援 | 病気や不登校などの子どもも、家で学べるようにする |

💬 なぜ今、GIGAスクール構想が必要なの?
少子化・地域格差・多様化する学びのニーズ――
日本の教育は今、大きな変化の中にあります。
子どもたちの「学びたい気持ち」や「得意なこと」は一人ひとり違います。
GIGAスクール構想は、その子に合った学び方を実現するために、ICTという道具を全員に行き渡らせることを大切に考えています。
それは「全員に同じ学びをさせる」ことではなく、全員に“学ぶチャンス”を与えるための仕組みなのです。
ポイント
- GIGAスクール構想=1人1台端末+ネット環境+クラウド活用!
- すべての子どもにICTを活用する機会を保障することが目的
- 教師の研修や遠隔学習の支援もセットで進められている
1-4. ICTを活用した授業の特徴
ICTを活用することで、授業の形が大きく変わりつつあります。
これまでの「先生が話し、生徒が聞く」スタイルから、「子どもが主体的に考え、調べ、発表する」スタイルへと進化しています。
タブレットやクラウドツール、デジタル教材を活用することで、学びが“受け身”から“自分ごと”へ変わります。特に注目されているのは、以下の4つの学びの特徴です。
特徴 | 内容の説明 |
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主体的な学び | 子どもが自ら疑問を持ち、調べ、発表する学び。「自分で考える力」を育てる |
協働的な学び | 友だちと意見を出し合いながら、ひとつの課題に取り組む。Googleドキュメントなどを活用 |
表現する学び | プレゼンや動画制作、プログラミングなどで、自分の考えを形にして伝える |
個別最適な学び | 習熟度やペースに合わせて、自分に合った課題に取り組める(AIドリルや教材の活用など) |
💬 子どもの「変化」が見える授業へ
ICTを導入した授業では、子どもたちの表情や行動が大きく変わります。「質問に答えるだけだった子」が「自分から調べて発表する子」に。「ノートを取るのが苦手だった子」が「タブレットで写真を撮って記録できる子」に。
これはICTそのものが“すごい”のではなく、ICTが子ども一人ひとりの力を引き出す“きっかけ”になるからです。先生の工夫とICTの活用が合わさることで、「すべての子が主役になれる授業」が生まれています。
ポイント
- ICTを使うと、学びは「受け身」から「自分ごと」に変わる!
- 主体的・協働的・表現的・個別最適な学びが実現できる!
- ICTは“先生に代わるもの”ではなく、“学びを広げる道具”である!