子どもがゲームや動画を楽しんでいる。それ自体は問題ない。でも、こんな瞬間にドキッとしたことはありませんか?
よくある場面①
子どもがオンラインゲームで「知らない人からフレンド申請が来た。受けていい?」と聞いてきた。どう答えればいいか分からなかった。
よくある場面②
YouTubeの動画にコメントを書いていた。見知らぬ人から「もっと教えて」「どこに住んでるの?」とメッセージが来ていた。子どもは普通に返信しようとしていた。
よくある場面③
「オンラインで仲良くなったゲームの友達に、本名を教えた」と子どもが何気なく言った。その相手が誰なのか、実は全く分からない。
「うちの子はまだ低学年だから大丈夫」——実は、これが最も危険な思い込みです。
1,665
令和5年にSNSで被害を受けた子どもの人数(警察庁)
このうち小学生の被害が含まれており、被害の入口はSNSだけでなく、オンラインゲームやYouTubeのコメント欄も含まれます。子どもがデバイスを持つ前から、「ネットの向こうには知らない人がいる」という事実を伝えておくことが最大の予防策です。
「ネット安全教育は小学校高学年や中学生からでいい」と思っている保護者は多いです。でも実際には、デバイスを渡した瞬間からリスクが始まります。
よくある誤解
❌「小学低学年にネット安全の話をしても理解できない」
実際には、「知らない人に声をかけられたらどうする?」という交通安全・防犯教育は低学年から行われています。ネットも全く同じです。
「道で知らない人に話しかけられたらどうする?」と同じ感覚で伝えられます。
専門家の考え方
✅「リアルの防犯教育と同じタイミングで伝える」
文部科学省の情報モラル教育ガイドラインでも、小学校低学年から「情報社会のルールやマナー」を学ぶことを推奨しています。
難しい言葉は使わず、「ゲームの中にも知らない人がいる」という1文から始めれば十分です。
⚠️ 具体的にどんな場面で危険が起きる?
「SNSじゃないから安全」は通じません。低学年の子どもが日常的に使う場所にも危険があります。
「一緒に遊ぼう」「上手だね、フレンドになろう」「プレゼントあげるよ、住所を教えて」
⚠️ フレンド申請・ボイスチャット・ギフト交換を入口に、個人情報を引き出そうとするケースがあります。
→ 実際に会ったことのある人だけをフレンドにするルールを決める。みまもりSwitchでオンライン機能をオフに設定できます。
コメント欄に「どこの学校?」「LINE教えて」「かわいいね」などのメッセージ
⚠️ 動画や写真に映り込んだ情報(制服・校舎・地名)から居場所を特定されることがあります。
→ コメントへの返信はしない。YouTubeキッズでコメント機能をオフにできます。
「ゲームの攻略法を教えてあげる」「秘密のグループに招待するよ」「内緒にしておいてね」
⚠️「内緒にして」という言葉が出たら要注意。子どもの秘密主義を利用して親から遠ざけようとするパターンです。
→「ネットで知り合った人との秘密は作らない」をルールにする。困ったら必ず親に話すよう約束する。
⚠️ 「知らない人」は悪そうに見えません
「知らない人とは話さない」と教えても、子どもには相手が友好的に見えることが多いです。むしろ「親切そうで、最初はいい人に見える」ことを伝えておくことが大切です。「怖い人がいる」ではなく「本当のことを言っているか分からない人がいる」という説明の方が伝わりやすいです。
難しいルールより、シンプルな約束が身を守ります。デバイスを渡す前に、一緒に声に出して読みましょう。
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わが家のネット安全 約束5か条(タップして確認!)
1
実際に会ったことがある人だけをネットでも友達にする
ゲームのフレンド申請・グループ招待は、学校や習いごとで実際に会った人だけOK。「ネットで仲良くなった」だけでは友達とは言えません。
2
名前・学校・住所・電話番号は絶対に教えない
フルネーム・学校名・住んでいる場所は「個人情報」といって、知られると危ないことがあります。「教えてくれたら何かあげる」と言われても絶対ダメです。
3
知らない人からのメッセージは返信しない・ブロックする
返信すると「この子は話してくれる」と思われてしまいます。知らない人からのメッセージは無視してブロック。怖かったらすぐ親に教えること。
4
「内緒にして」と言われたら絶対に親に話す
「お父さんお母さんには内緒ね」と言ってくる人は信用してはいけません。親に話してはいけないことは何もないと覚えておきましょう。
5
怖いこと・嫌なことがあったらすぐ親に話す
話してくれたことを叱りません。どんなことでも、話してくれたら一緒に考えます。これは親との約束です。
💡 お子さんと一緒に、1つずつタップして確認してみましょう。
👶 年齢別:どんな言葉で伝える?
同じことでも、年齢によって伝え方を変えると理解しやすくなります。
小学1〜2年生
「道で知らない人」と同じで教える
道で知らない人に「一緒に来て」と言われたらどうする?という会話と同じ流れで伝えられます。抽象的な「危険」より、知っている状況に結びつけると分かりやすいです。
「ゲームの中にも、会ったことがない人がいるよ。その人には、名前も学校も教えちゃダメ。怖いことがあったらすぐ教えてね」
小学3〜4年生
「見えない相手」という概念で教える
画面の向こうにいる人の「本当の姿」は分からないという話ができる年齢です。「子どものふりをしている大人がいる」という事実も、怖がらせすぎない程度に伝えられます。
「ゲームで仲良くなった人が、本当に同い年の子かどうかは分からないんだよ。大人が子どもふりをすることがあるから、個人情報は絶対教えないようにしようね」
「絶対ダメ」より「どうすればよかったか一緒に考える」会話の方が、子どもの判断力を育てます。
【デバイスを渡す前】約束を一緒に決めるとき
🛋️ Switch を渡す前日の夜
👩
明日からSwitch使っていいけど、一つだけ先に話しておきたいことがあって。ゲームの中にも、会ったことがない人がいるって知ってた?
👩
うん。だから、フレンド申請が来たら、学校で会ったことある子だけOK。知らない人には名前も学校も教えないこと。もし怖いことがあったらすぐ教えてね。約束できる?
💡 「怖い話」として長々と説明するより、シンプルに1つの約束として伝える方が子どもに残ります。渡す前のタイミングが最も記憶に定着しやすいです。
【知らない人からメッセージが来たとき】
😟 「知らない人からメッセージが来た」と子どもが言ってきた
🧒
ねえ、ゲームで知らない人からメッセージ来た。なんか怖くて…
👩
話してくれてありがとう!えらかったよ。一緒に見てみようか。返信はしてない?
👩
完璧!それが正解だよ。今一緒にブロックしようね。話してくれてよかった。
💡 「なんでそんなのやってたの!」と責めると、次から隠すようになります。「話してくれたこと」を必ず最初に褒めましょう。それが「相談できる親子関係」の積み重ねになります。
【個人情報を教えてしまった後で発覚したとき】
😰 「ゲームで友達に本名を教えた」と子どもが言ってきた
🧒
…実は、ゲームで仲良くなった人に名前教えちゃった
👩
教えてくれてよかった。怒らないから、どんなやり取りをしたか一緒に見せてくれる?
👩
(確認後)今回は大丈夫そうだね。でもこれからは名前は教えないようにしよう。どうすれば防げたか、一緒に考えようか。
💡 「もう終わったこと」を長く責めても意味がありません。「次どうするか」を一緒に考えることが大切です。叱らず話してくれた子どもの勇気を認めましょう。
📞 トラブルが起きたときの相談先
menu_book この記事の参考資料・出典
- 警察庁(2024)「令和5年におけるSNS等に起因する被害児童の現状」— 被害児童数1,665人、89.4%がフィルタリング未設定
- 文部科学省「情報モラル教育推進事業」— 小学校低学年からの情報モラル教育を推奨
- こども家庭庁(2023)「令和4年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」— 小学生のネット被害実態
- 内閣府(2024)「青少年のインターネット利用環境づくりのための啓発資料」— 保護者向けリスク情報
- 日本小児科医会(2024)「子どもとメディア」— 低年齢からのメディアリテラシー教育の重要性
- 法務省「こどもの人権110番」公式サイト
- 警察庁「子ども・女性安全対策室」公式サイト(0120-007-110)
Q1. 子どもにネットの危険性をいつ、どう伝えればいいですか?
A. デバイスを渡す前か、渡すと同時が最適です。「怖い話」として伝えるより、「ネットの向こうには知らない人がいる」という事実をシンプルに伝え、困ったら必ず親に話すよう約束することが大切です。
Q2. ゲームのフレンド申請は受けさせてもいいですか?
A. 「学校の友達など、実際に会ったことがある人だけ」という基準を先に決めておくことが大切です。知らない人からの申請は無視・ブロックするよう事前に教えておきましょう。みまもりSwitchなどでオンライン機能自体をオフにすることもできます。
Q3. 子どもが知らない人とやり取りしていたら、どう対応すればいいですか?
A. まず子どもを責めないことが最重要です。「話してくれてよかった」と伝え、一緒に画面を確認します。不審なやり取りがあった場合は証拠を残したうえで、学校・警察(#9110)・相談窓口に相談してください。
Q4. フィルタリングをかけていれば安全ですか?
A. フィルタリングは重要な対策ですが、それだけでは完全ではありません。オンラインゲームのチャット機能・フレンド申請など、フィルタリングでは防ぎきれないルートもあります。技術的な対策と、子どもとの対話の両方が必要です。