CHAPTER 03

安全で健康的な利用の原則

家族みんなで作る、安心なデジタル生活

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健康的なデジタル生活って何?

📖 田中家のデジタル生活改善物語

小学3年生のかずき君は、タブレット学習が大好きで、気がつくと2時間も画面を見続けていることがありました。お母さんは「勉強しているから」と思っていましたが、最近かずき君が「目が痛い」「肩が重い」と言うようになりました。

そこで家族会議を開き、みんなで「デジタル機器と上手に付き合う方法」を考えることにしました。今では、家族みんなが健康的にデジタル機器を活用できています。

💡 健康的なデジタル生活とは

デジタル機器を使いながらも、体も心も元気でいられる生活のことです。「使っちゃダメ」ではなく、「上手に使う」ことで、子どもの成長をサポートします。体の健康、心の健康、家族や友達との関係、そして学習効果のバランスを大切にします。

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田中家の健康的なICT利用改善
家族みんなで取り組んだ3ヶ月間の変化

田中家では、お子さんの長時間利用が心配になり、家族でデジタルルール作りに取り組むことにしました。

デジタルルール作りとは
家族みんなでデジタル機器の使い方について話し合い、健康的で安全な利用のための約束事を決めること。年齢や生活リズムに合わせて、使用時間や場所、内容などを家族で合意して決める。
・長時間の連続利用で目が疲れる
・夜遅くまで使って寝不足
・家族との会話が減る
📍 改善ポイント:30分ごとの休憩タイマー、就寝1時間前のデジタルデトックス、家族時間の確保を柱とした「田中家ルール」を作成しました。
デジタルデトックスとは
一定期間、デジタル機器の使用を意識的に控えること。特に就寝前のデジタルデトックスは、良質な睡眠を確保し、心身の健康を保つために効果的とされている。
・30分ごとに休憩して目をいたわる
・寝る1時間前には機器をお休み
・家族時間を大切にするルール作り

今では家族みんなが健康的にICTを活用し、むしろ学習効率も上がったと喜んでいます。

🏠 家庭でできる健康チェック

毎日の観察:子どもの表情、姿勢、疲労のサインを見つける
親子の対話:「今日は疲れてない?」など気軽に聞いてみる
環境づくり:明るさや座り方を一緒に調整
早めの対応:「何か違うな」と感じたらすぐに相談

🏫 教室での健康的なICT活用

授業設計:短時間集中型の活動を組み合わせる
環境配慮:すべての子どもが見やすい・使いやすい環境
個別サポート:一人ひとりの特性に応じた配慮
家庭連携:保護者と健康状態の情報を共有

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体を大切にする使い方

デジタル機器を使うとき、体への負担を減らす工夫をすることで、楽しく安全に学習できます。

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目を守る「20-20-20ルール」の実践
さくらちゃん(8歳)の成功例

さくらちゃんは読書が大好きで、電子書籍もよく読んでいました。でも最近「文字がぼやける」と言うようになりました。

📍 20-20-20ルール導入:20分使ったら、20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る習慣を始めました。タイマーを使って楽しくチャレンジすると、「目がスッキリする!」と喜んでいます。
20-20-20ルールとは
デジタル機器による目の疲労を防ぐための方法。20分間画面を見たら、20秒間、20フィート(約6メートル)離れた場所を見ることで、目の筋肉をリラックスさせる健康法。

今では家族みんなでこのルールを実践し、目の健康を守っています。

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目の健康
適切な距離と明るさで、疲れにくい環境を作る
画面から30-40cm離れる、部屋を明るくする
🪑
エルゴノミクス
人間工学に基づいた姿勢で、首や肩の負担を減らす
足を床につけて、背もたれを使う
エルゴノミクス(人間工学)とは
人間の身体的特性に合わせて作業環境や道具を設計する学問。デジタル機器使用時では、正しい姿勢や画面の高さ、キーボードの位置などを調整して、身体への負担を最小限にする。
適度な休憩
集中力を保ちながら、体の疲れを防ぐ
30分に1回は立ち上がって体を動かす
💡
明るさが足りない時は?
部屋の電気をつけて、画面の明るさも調整
😴
夜遅くに使いたい時は?
ブルーライトカット機能やナイトモードを活用
ブルーライトカット機能とは
デジタル画面から発せられる青色光(ブルーライト)を減らす機能。夜間の使用時に有効で、睡眠の質を向上させる効果があるとされている。多くの機器にナイトモードとして搭載されている。
🏃
体が固まってきた時は?
首を回したり、肩を上下に動かしたりして体をほぐす
🤔
疲れているかわからない時は?
家族に「疲れてない?」と聞いてもらう
🏠 家庭でできる体の健康サポート

環境チェック:明るさ、座り方、画面の角度を定期的に確認
休憩の工夫:タイマーや音楽を使って楽しく休憩時間を作る
体調観察:目をこする、首をまわすなどのサインを見つける
一緒に実践:親も一緒にストレッチや目の体操をする

🏫 授業での体の健康指導

環境整備:教室の明るさや机の高さを全体で調整
定期的な休憩:授業の途中で全員一緒に体操やストレッチ
個別配慮:視力や姿勢に特別な配慮が必要な児童への対応
家庭との連携:健康に関する取り組みを保護者と共有

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心も元気でいるために

デジタル機器を使いすぎると、イライラしたり眠れなくなったりすることがあります。心の健康も大切にして、バランスよく生活しましょう。

😊
ゲームとの上手な付き合い方
ひろと君(10歳)の体験

ひろと君はゲームが大好きでしたが、やめられなくて夜更かしし、朝起きるのがつらくなっていました。

⏰ 家族でのルール作り:「1日1時間、宿題の後」というルールを家族で話し合って決めました。最初は物足りなく感じましたが、読書やスポーツの時間も増えて、「毎日が充実している」と感じるようになりました。

今では、ゲームも他の活動も楽しみながら、規則正しい生活を送っています。

⏱️
スクリーンタイム管理
スクリーンタイムを管理し、他の活動とのバランスを保つ
時間を守る、タイマーを活用する
スクリーンタイムとは
デジタル画面を見ている時間の合計。スマートフォン、タブレット、コンピューター、テレビなどの使用時間を指す。適切な管理により、身体的・精神的健康を保つことができる。
😴
良い睡眠
夜はデジタル機器をお休みして、ぐっすり眠る
寝る1時間前にはスクリーンをOFF
👨‍👩‍👧‍👦
家族の時間
デジタル機器なしで家族と過ごす大切な時間
食事中はスマホ禁止、家族での外遊び
😠
やめたくない気持ちの時は?
「あと5分だけ」のカウントダウンで気持ちを整理
😔
やることがない気持ちの時は?
事前に楽しい代替活動を家族で準備しておく
😱
怖いものを見てしまった時は?
すぐに大人に話して、安心できるまで一緒にいてもらう
🤗
友達とのトラブルの時は?
まずは信頼できる大人に相談して、解決方法を一緒に考える
🏠 家庭でできる心の健康サポート

ルール作りは親子で:子どもの意見も聞いて、一緒に納得できるルールを作る
代替活動の準備:デジタル以外の楽しい活動を用意しておく
感情に寄り添う:「やめたくない」気持ちも理解して支える
相談しやすい関係:困ったときに話しやすい雰囲気を作る

🏫 学校での心の健康指導

デジタルシティズンシップ:責任あるデジタル利用について学習
感情コントロール:デジタル機器利用時の感情管理方法を指導
多様な表現活動:デジタル以外の表現方法も大切にする
いじめ防止:オンライン上でのいじめ防止と対処法を教える

デジタルシティズンシップとは
デジタル社会において責任ある市民として行動するための知識、スキル、態度のこと。オンライン上での適切な行動、プライバシー保護、情報の真偽判断などを含む包括的な概念。

🛡️
安全に使うための約束

インターネットには楽しいことがたくさんありますが、危険から身を守る知識も必要です。家族みんなで安全に使う方法を学びましょう。

🔒
個人情報を守る大切さ
ゆうか家のルール作り

ゆうかちゃん(9歳)がオンラインゲームで「住所を教えて」と言われたとき、すぐにお母さんに相談しました。

🏠 家族の安全ルール:「知らない人には絶対に個人情報を教えない」「困ったときはすぐに家族に相談する」というルールを確認しました。ゆうかちゃんは「正しい判断ができた」と自信を持ち、今後も安全にゲームを楽しんでいます。
個人情報とは
特定の個人を識別できる情報のこと。氏名、住所、電話番号、メールアドレス、学校名、生年月日、写真などが含まれる。インターネット上では特に慎重に扱う必要がある。

この経験をきっかけに、家族でインターネット安全ルールを作り直しました。

🔐
個人情報保護
名前、住所、学校名などを知らない人に教えない
家族以外には秘密にする情報を確認
🚫
フィルタリング
年齢に適さないサイトにアクセスしない
フィルタリング機能の活用、安全なサイトリスト
フィルタリング機能とは
年齢や利用目的に適さないウェブサイトやアプリの利用を自動的に制限する機能。有害サイトのブロック、利用時間の制限、アプリの使用制限などが可能で、子どものインターネット利用を安全にサポートする。
💬
ネチケット
オンラインでも礼儀正しく、思いやりを持って交流
ネチケットを守った適切なコミュニケーション
ネチケットとは
ネットワーク(Net)とエチケット(Etiquette)を組み合わせた言葉。インターネット上でのコミュニケーションにおいて守るべきマナーや礼儀のこと。相手を思いやる気持ちと適切な表現が基本となる。
怪しいメッセージが来た時は?
返事をしないで、すぐに信頼できる大人に見せる
😨
怖い画像や動画を見た時は?
画面を閉じて、大人に話して安心するまで一緒にいてもらう
💸
お金を使いたくなった時は?
絶対に勝手に決めないで、必ず家族と相談する
🤝
「会いたい」と言われた時は?
どんなに優しそうでも、絶対に一人で会わない
🏠 家庭でできる安全対策

技術的な設定:フィルタリングや時間制限などの機能を適切に設定
定期的な確認:子どもの利用状況を把握し、一緒に内容を確認
相談しやすい環境:「怒られない」安心感で何でも話せる関係作り
継続的な学習:親も最新の情報やリスクについて学び続ける

🏫 学校での安全教育

情報リテラシー教育:情報の真偽を見分ける力を段階的に育成
トラブル対応方法:問題が起きた時の具体的な対処法を指導
保護者との連携:家庭と学校で一貫した安全指導
専門機関との協力:警察や専門団体との連携で最新情報を共有

情報リテラシー教育とは
情報を適切に収集・評価・活用・発信する能力を育成する教育。情報の真偽判断、プライバシー保護、著作権の理解、デジタルコミュニケーションのマナーなどを総合的に学習する。

💡
今日の学びをふりかえろう

健康的で安全なデジタル生活について学んだことを振り返ってみましょう。

🌟 第1章の学習ふりかえり
第1章を通して学んだ中で、最も実践してみたいと思ったことはどれですか?
A
家族でデジタルルールを作って、健康的にICTを活用したい
B
20-20-20ルールなど、体を大切にした使い方を実践したい
C
個人情報保護やネチケットで、安全にインターネットを楽しみたい
D
すべてが大切で、家族みんなで安心なデジタル生活を作りたい