CHAPTER 01

よくあるトラブルの予防と対処法

困った時に頼られる存在になろう

🆘
「困った!」が起きた時こそ成長のチャンス

📖 ある月曜日の朝に起きた出来事

5年2組の教室で、ICTを活用した授業が始まろうとした時、次々とトラブルが発生しました。「先生、タブレットの画面が真っ白です!」「僕のは電源が入りません!」「みんなが使っているから、インターネットがつながらない!」

担任の山田先生は慌てました。ICT支援員は別の学校に行っており、誰に頼んでよいか分からない状況です。子どもたちも「今日の授業はできないの?」と不安そうな表情を見せています。

「こんな時、どうすればいいんだろう?」「トラブルを防ぐ方法はなかったのかな?」「子どもたちを失望させてしまった...」

でも実は、このような状況こそが「学習の大きなチャンス」なのです。

💡 2級で身につけるトラブル対応の実践力

ICTを活用すれば、トラブルは必ず起こります。大切なのは「トラブルを恐れるのではなく、適切に予防し、起きた時には冷静に対処する」技術を身につけることです。そして、トラブルを子どもたちの学びの機会に変える指導者を目指しましょう。

🔧
機器の故障・不調時の応急処置と相談先

「とりあえず何とかしたい!」という緊急時に、慌てずに対処できる応急処置の方法を学びましょう。

💻
中村先生の「冷静トラブル対処法」習得記
慌てる先生から頼れる先生への変身

以前の中村先生は、タブレットに少しでも不具合が起きると大慌て。「どうしよう、どうしよう」と言いながら、子どもたちも不安にさせてしまうことがありました。

📍 工夫したこと:「トラブル対処チェックリスト」を作成し、基本的な対処手順を覚え、「困った時の相談先リスト」も準備して、冷静に対応できるようになりました。

3ヶ月後、トラブルが起きても「大丈夫、一つずつ確認してみよう」と落ち着いて対処する中村先生。子どもたちからは「先生ってすごいね!」と頼りにされ、トラブルも学習の一部として楽しめるようになりました。

⚡ 電源・起動トラブル
まずは基本から確認
最も多い基本的なトラブル。慌てずに順番に確認すれば解決することが多い。
確認手順
電源ボタンの長押し(10秒程度)
充電ケーブルの接続確認
充電ランプの点灯確認
30分程度の充電後に再度電源ON
相談先
• ICT支援員・情報担当教員
• 機器購入先のサポート窓口
• 教育委員会のICT担当
• 同僚の先生方
📶 ネットワーク接続
通信環境の確認
インターネットにつながらない、Wi-Fiが不安定などの通信トラブル。
確認手順
Wi-Fiのオン・オフ切り替え
機内モードのオン・オフ
ルーターの再起動
他の端末でのネット接続確認
相談先
• 学校のネットワーク管理者
• インターネット回線業者
• 機器メーカーのサポート
• 教育委員会の技術担当
📱 アプリ・ソフト不具合
ソフトウェアの問題
アプリが起動しない、動作が重い、エラーメッセージが出るなどの問題。
確認手順
アプリの完全終了と再起動
端末の再起動
アプリの更新確認・実行
不要なアプリ・ファイルの削除
相談先
• アプリ開発会社のサポート
• 教材会社のヘルプデスク
• オンラインヘルプ・FAQ
• ユーザーコミュニティ・フォーラム
🏠 家庭でのトラブル対応

慌てない心構え:まずは深呼吸。子どもに不安を与えないよう冷静に
基本の「き」:電源の入れ直し、充電確認で8割のトラブルは解決
記録を残す:いつ、何をしていた時に起きたかをメモしておく
相談する勇気:分からない時は恥ずかしがらずに詳しい人に相談

🏫 授業中のトラブル対応

事前準備:予備機器の準備、基本的対処法の習得
冷静な対応:子どもたちの前では動じない姿勢を見せる
学習機会化:トラブル解決過程も学習の一部として活用
サポート体制:校内での技術サポート体制の確認・活用

📶
ネットワーク接続トラブルの解決手順

「インターネットにつながらない!」という時の、段階的で確実な解決手順を身につけましょう。

🌐
田中家の「ネットワーク探偵団」活動
家族みんなでネットトラブルを解決

オンライン授業が始まった矢先、田中家のWi-Fiが不安定になりました。お父さんもお母さんもテレワーク中で、みんなが困ってしまいました。でもこれを機会に、家族でネットワークのことを学ぼうと決めました。

📍 工夫したこと:家族で「ネットワーク探偵団」を結成し、トラブルが起きた時の原因調査から解決まで、みんなで協力して取り組む仕組みを作りました。

半年後、田中家では小さなネットワーク問題なら家族で解決できるようになりました。子どもたちは「僕たちってIT博士みたい!」と誇らしげで、トラブルが起きても家族で協力して解決する楽しさを学びました。

🔍
STEP1:状況確認
トラブルの範囲と症状を正確に把握する
例:1台だけ?全台?今まで使えていた?いつから?
📱
STEP2:端末側確認
問題のある端末での基本的な確認・操作
例:Wi-Fi設定確認、機内モード確認、端末再起動
🏠
STEP3:ネットワーク確認
家庭・学校のネットワーク環境の確認・調整
例:ルーター再起動、LANケーブル確認、他機器での接続テスト
📞
STEP4:外部相談
自力解決が困難な場合の適切な相談先への連絡
例:プロバイダーサポート、学校技術担当、機器メーカー

📱
アプリが動かない時の確認ポイント

「さっきまで使えていたのに...」というアプリトラブルの原因を見つけ、解決する方法を学びましょう。

🔄
アプリの再起動
→ アプリを完全に終了してから再度起動。一時的な不具合の多くが解決
端末の再起動
→ 端末全体の再起動でメモリクリア。動作が重い時に有効
🔄
アプリの更新
→ 最新版へのアップデート。セキュリティ・機能向上も期待
💾
ストレージ容量確認
→ 容量不足で動作不安定になることが多い。不要データの削除

💾
データが消えた時の緊急対応

「大切なデータが消えた!」という緊急事態での冷静な対処法と、今後の予防策を学びましょう。

😱
りょうたくん(10歳)の「消えた作品復活劇」
絶望から希望への転換点

学校の発表会に向けて1ヶ月かけて作ったデジタル作品が、突然消えてしまったりょうたくん。「もうダメだ...」と泣き出してしまいました。でも担任の先生は慌てず、冷静にデータ復旧の方法を試してみました。

📍 工夫したこと:アプリの自動保存機能、クラウドの同期履歴、端末のバックアップ機能を順番に確認し、3日前のデータを発見・復元することができました。

データが戻った時のりょうたくんの笑顔は最高でした。それ以来、りょうたくんは定期的なバックアップを習慣にし、「データを守る大切さ」を友達にも教えるようになりました。

🚨 緊急対応(まず最初に)
パニックにならない
データが消えたと思っても、慌てずに基本的な確認から始める。
最初にすること
作業を一旦停止
深呼吸して冷静になる
何をしていた時に起きたかを思い出す
他のファイルや場所を確認
確認場所
• 最近使ったファイル一覧
• ゴミ箱・削除済みアイテム
• 自動保存フォルダ
• 一時保存・下書きフォルダ
🔧 復旧作業
システムの力を活用
アプリやシステムの自動保存・バックアップ機能を活用した復旧作業。
復旧方法
アプリの復元機能確認
クラウド同期状況の確認
システムバックアップの活用
履歴・バージョン管理の利用
復旧ツール
• アプリの自動保存機能
• Googleドライブ・iCloud等
• 端末のバックアップ機能
• ファイル復元ソフト
🛡️ 予防策(今後のために)
二度と困らないために
データ消失を防ぐための日常的な習慣とシステム設定の整備。
予防の習慣
定期的な手動保存
複数の保存場所の活用
バックアップ設定の確認
重要データの複製保存
予防システム
• 自動バックアップ設定
• クラウド同期の活用
• 外部ストレージへの保存
• バージョン管理システム
🏠 家庭でのデータ保護

バックアップの習慣化:週1回は重要データのバックアップを確認
子どもへの教育:保存の大切さを体験を通して学ばせる
複数の保存先:端末・クラウド・外部ストレージの使い分け
冷静な対応:データが消えても慌てず、復旧方法を一緒に探す

🏫 授業でのデータ管理指導

保存習慣の指導:こまめな保存の重要性を繰り返し指導
バックアップ教育:データを守る方法を実習で体験させる
トラブル時の対応:データ消失を学習機会として活用
予防システム:自動保存・同期機能の適切な設定と確認

💡
今日の学びをふりかえろう

よくあるトラブルの予防と対処法について学んだことを振り返ってみましょう。

🌟 学習のふりかえり
トラブル対応について学んだ中で、最も大切だと感じたことはどれですか?
A
トラブルが起きても慌てず冷静に対処する心構えの大切さ
B
基本的な確認手順を知っていれば多くのトラブルは解決できること
C
事前の準備と予防策がトラブルを最小限に抑えること
D
トラブルを学習の機会として活用できる指導者の視点