OECD Education 2030は、2030年以降の社会で求められる能力(コンピテンシー)を定義した国際的な枠組みです。「ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)」という概念で、学習者が目指すべき方向を示しています。
コンピテンシーとは
単なる知識やスキルではなく、それらを実際の場面で活用できる「実践的な能力」のこと。知識・スキル・態度・価値観を統合し、複雑な状況に対応できる力を指します。OECDでは「変革を起こす力」として3つのコンピテンシーを定義しています。
ラーニング・コンパス(学びの羅針盤)とは
OECD Education 2030が提唱する学習の枠組み。羅針盤のように、学習者が不確実な未来に向けて自ら方向を定め、進んでいくためのガイドとなるもの。中心には学習者のエージェンシーがあり、周囲にコンピテンシー、知識、スキル、態度・価値観が配置されています。
💡 ウェルビーイング(Well-being)の実現
ウェルビーイングとは
身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること。単に病気でないというだけでなく、幸福感、生きがい、自己実現を含む包括的な概念です。Education 2030では、個人と社会のウェルビーイングの実現を教育の究極の目標としています。
Education 2030の究極の目標は、個人と社会のウェルビーイング(幸福・充実)の実現です。単なる学力向上ではなく、変化の激しい社会を生き抜き、より良い未来を創造できる人材の育成を目指しています。
🧭 変革を起こすコンピテンシー
💡
新たな価値を創造する力
既存の知識を組み合わせ、新しいアイデアや解決策を生み出す能力。
ICTとの関連:デジタルツールを使った創作活動、プログラミングによる課題解決
⚖️
対立やジレンマを克服する力
異なる意見や矛盾する要求の中で、バランスを取り解決策を見出す能力。
ICTとの関連:オンラインでの協働学習、多様な情報源からの判断
🎯
責任ある行動をとる力
自分の行動が他者や社会に与える影響を考え、責任を持って行動する能力。
ICTとの関連:デジタル・シティズンシップ、情報モラル、プライバシー保護
📌 エージェンシー(Agency)の重要性
エージェンシーとは
自ら目標を設定し、振り返りながら責任を持って行動する力のこと。受動的に学ぶのではなく、自分の学びや人生の主体者(エージェント)として行動することを意味します。OECDはこれを21世紀の学習者に必要な核心的な力と位置づけています。
エージェンシーとは、「自ら目標を設定し、振り返りながら責任を持って行動する力」のこと。教師や保護者は、子どもの代わりに何かをするのではなく、子どもが自ら学び成長できるよう「共同エージェンシー」として支援する役割が求められています。
共同エージェンシーとは
学習者のエージェンシーを支援するために、教師・保護者・地域社会が協力して行動すること。大人が子どもに「教える」のではなく、共に学び、共に成長するパートナーとして関わる姿勢を指します。
🏠 家庭でエージェンシーを育む
選択の機会:「どの教材を使う?」「いつ学習する?」など、子どもに選ばせる
振り返りの習慣:「今日の学習どうだった?」と一緒に振り返る
失敗を認める:うまくいかなくても、次にどうするか一緒に考える
親が「管理」するのではなく、子どもが「自分で決める」経験を増やしましょう。
🏫 教室でエージェンシーを育む
学習の自己選択:課題の難易度や取り組み方を児童が選べる場面を設定
目標設定:児童自身が学習目標を立て、振り返る活動
共同エージェンシー:教師は「教える」から「共に学ぶ」姿勢へ
OECD Education 2030の考え方は、学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」とも通じています。